大阪エリアの場合、大阪市を中心とした一定のエリアが「特定指定地域」として定められていて、このエリアにある事業所(会社)でタクシー運転手になるには、大阪タクシーセンターでの4日間の新任運転者研修を受講し、かつ学科試験・地理試験に合格しないといけないのです。(いわゆる「タクシー特措法」などに規定されています)
じゃあ、特定指定地域以外の事業所に就職して営業したら、と考えるところですが、タクシーには営業区域が定められていて、その営業区域外での営業は認められていません。(自分の属する営業区域を出発地もしくは目的地とする運送は可能)
前置きが長くなりましたが、学科試験と地理試験を中心とした、新任運転者研修に関する簡単なまとめです。
(研修について)
今福にある「財団法人大阪タクシーセンター」に4日間通って研修を受けます。登録運転者は、一種の資格のようなものですが、会社に雇用されるか、もしくは雇用される予定の人しか研修を受けることはできません。
内容としては、法令・安全・接遇・地理について、それぞれ50分×3時限の講義と、バリアフリー研修ということで、接遇に関する特別な講義と実習が丸1日あります。そして、最終日に学科試験(法令・安全・接遇)と地理試験を受ける形になります。
(学科試験について)
法令・安全・接遇の各科目から、正誤問題が10問、文章の穴埋め(記号選択式)が5問それぞれ出題されます。60分で45問、8割以上の正解でクリアです。
基本的に、講義を聞いて講師が説明したところをテキストでチェックしておき、試験前に1、2度おさらいしておけば、恐れることはないです。後述の地理試験に気を取られすぎて、授業中に地図や地理の手引きばかり見ているとやばいかもしれません。
もし事前に勉強するのであれば、次のところを見ておくとよいでしょう。
・ 法令……2種免許の学科試験でやった「道路運送法」、あと自社の運送約款とタクシー特措法
・ 安全……平成19年に改正された道路交通法の「改正点」、国土交通省が定めている「改善告知」(タクシー運転手の労働条件について、一通り限度が定められています。会社の就業規則もこれに準じているはずですので、そちらを見ておくのもいいかもしれません)
・ 接遇……あれば、自社の接客マニュアルを一通り
(地理試験)
ブロックが3つ(北・中・南)あり、それぞれについて以下の内容で出題されます。どのブロックで受験するかは、事業所に確認してみてください。(自社の主な営業エリアで決めていると思います)多くの事業所は中ブロック(大阪市ほぼ全域)で受験させているようです。
大阪市内については、共通問題としてブロックにかかわらず出題されるところがあります。60分間で40問、8割以上の正解で合格となります。
大阪タクシーセンターの
ホームページには、ブロック別の問題例が掲載されています。また、問題集(地理教材)がタクシーセンターで1部400円で販売されています。
・ 問題1……正誤問題(25問)
「施設名」「付近の道路・交差点等(例えば、御堂筋の北、とか○○交差点の南、とか)」「所在地」の組み合わせの文章について、正しいか間違っているかを答えます。「付近の道路・交差点」については、記述されない場合があります。
・ 問題2……穴埋め問題(5問)
文章の空欄に、「道路名」「橋の名前」を選択肢の中から記号で答えます。
・ 問題3……地図問題(10問)
地図が2枚あり、それぞれについて、「施設名」と「地図上の位置(番号が付けられています)」を組み合わせて記号で回答します。
穴埋め問題と、地図問題については、ほぼ全て直前の授業で解説されます。また、正誤問題についても、出題されるところはすべてではありませんが直前の授業で解説されます。
解説されたところを全て正解できれば、ぎりぎり8割は取れるようにはしてくれます。
事前に勉強しておけば、その「授業で解説されます」のところがすんなり入ってくると思います。また、実際の研修の際には、「地理の手引き」として教材が配布されますが、道路名や各施設について、ざっくりした位置関係ではありますがわかりやすく紹介されています。試験前のおさらいにも十分使えますし、実務でも使えそうです。 (経路の詳細やどこに車を付けられるかについては、地図を見たり現地を見たりしないといけないですけどね)
私がやったのはこんな感じです。
・ タクシーセンターから出されている問題例のうち、問題3にある施設について、一通り所在地を覚え、手持ちの地図で場所を確認する。
・ それをもとに、問題例の問題1を一通り解いてみる。
・ 問題2については、問題例を一通り解いてみる。
・ あとは、一通り繰り返し教材を確認する。
(まとめ)
他の事業所の方の様子を見ていると、事業所で事前に対策をしてくれる会社はあまりないようです。(東京方面の事業所だと、この辺も「試験対策ちゃんとします」と採用ホームページの中で謳っている事業所が多いですが)私の会社の場合は、出題される施設名と所在地についてまとめたものが渡され、「当日までに覚えなさい」と言われました。また、地理教材も事前に渡されました。
自分がお客様の立場に立ったとき、「タクシーの運転手さんならどんな場所も知っている」と思い込んでしまうものなので、それを目指して自分で勉強しなければいけないというところでしょうか。
ちなみに、合格率はざっくり7割と言われています。ここを通らないと、そうは言ってもタクシー運転手にはなれないので、さっくりクリアしていきましょう。
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